ママが妊娠に気付かない妊娠超初期から安定期に入るまでの妊娠初期までは、お腹の赤ちゃんがものすごい勢いで細胞分裂をくり返しています。
そのため、栄養の欠如あるいは過剰摂取が、ママとお腹の赤ちゃんの健康に影響を及ぼす可能性が高いのです。
それにより、妊娠中に積極的に食べたいもの、あるいは食べるのを避けた方がよいものがあります。
では、ホタルイカはそのどちらに分類されるのでしょうか?
今回は、妊婦さんがホタルイカを食べてもよいかどうか、理由も含めてお話しします。
目次
妊娠中に控えた方がよい食べ物がある
ホタルイカについてお話しする前に、妊娠中に控えた方がよい食べ物とその理由について、紹介しましょう。
妊娠中に避けた方が無難な食品には、以下のようなものがあります。
- トキソプラズマに感染するリスクのある「生肉」
- 水銀が蓄積しやすい「魚類」
- リステリア食中毒をおこす危険がある「ナチュラルチーズ」
- サルモネラ菌感染が心配な「生卵」
- ウコンやシナモン、タイムといった「子宮収縮作用のあるスパイス類」
- 身体を冷やす「アイスクリームや氷」
- コーヒーや紅茶に含まれる「カフェイン」
- 海藻に豊富な「ヨウ素」、「アルコール」など
そして、「ビタミンAを多く含む食品」も、食べるのを控えた方がよいとされています。
具体的には、レバーやうなぎ、あゆ、ホタルイカなどです。
ビタミンAの過剰摂取はママにも赤ちゃんにもよくない!
ビタミンAは、粘膜を強く保つ作用があり、身体の免疫力を高めてくれる栄養素です。
そのため、ビタミンAを適正に摂取していると、風邪をひきにくくなります。
ですが、妊娠初期にビタミンAを摂りすぎると、妊婦さんの肝臓に負担がかかり、様々な症状が出ることがあります。
妊婦さんにおこるビタミンA過剰症の症状としては、
- 嘔吐や頭痛
- 下痢
- 乾燥肌
- 骨障害
- 脂肪肝
- 肝臓肥大
- 食欲不振
- 胃の不調
- 微熱
- 過剰な発汗
- 骨粗鬆症
- 骨や関節の痛み
- 筋肉痛
などがあります。
そして、妊娠初期に動物性由来のビタミンAである「レチノール」を過剰摂取すると、体外に排出されにくいことから、お腹の赤ちゃんに口唇裂や口蓋裂、水頭症などの奇形が出ることがあります。
ビタミンAの過剰摂取には注意が必要なのです。
ホタルイカは妊娠中に食べても大丈夫?
妊娠初期にホタルイカを食べても大丈夫かについてですが、基本的には避けた方がよい食材です。
というのも、ホタルイカはレチノールを多く含んでいるからです。
かといって、食べてはいけないということではありません。
毎日食べ続けると、ビタミンAの過剰摂取につながる可能性が高いということです。
ホタルイカは1日何個まで食べていいの?
ホタルイカは一個(一杯)あたり5g~20g程度です。
一個20g程度のホタルイカを食べれば300μgREのビタミンAを含んでいます。
世界的な妊娠期におけるビタミンAの上限摂取量は「1日あたり3,000μgRE」なので、10個は食べても大丈夫な計算になります。
ちなみに日本における成人の年齢別ビタミンAの摂取量上限値は以下の表のとおりです。
ビタミンA過剰摂取による影響 | 食品安全委員会
通常の成人の方は1日あたり3,000μgREがビタミンAの上限摂取量となっています。
日本では妊娠期の方の上限摂取量が定められていませんが、妊婦の方も1日あたり3,000μgREを超えなければ大丈夫ということになっています。
実際にEUやアメリカでは以下のように定められています。
▼EUにおける妊娠期のビタミンA上限摂取量は「1日あたり3,000μgRE」
▼米国における妊娠期のビタミンA推奨摂取量は「1日あたり770μgRE」
▼米国における妊娠期のビタミンA上限摂取量は「1日あたり3,000μgRE」
また、妊娠中は葉酸サプリを飲む妊婦さんがほとんどだと思いますが、その中にビタミンAが含まれていることがあります。
食事とサプリメントでビタミンAを無意識に摂り過ぎると、過剰摂取につながることがあるので、併用する場合は注意が必要です。
お腹の赤ちゃんの奇形を避けるためには、妊娠初期は特に、ホタルイカを避けることをおすすめします。
安定期に入った妊娠中期以降、たまに食べるのは問題ないので、それまで普段以上に多く食べるのは我慢しましょう。
妊娠初期の食生活には注意しよう!
ホタルイカの他にも、鳥・豚・牛のレバーやうなぎ、すじこ、銀鱈、あゆなどに、レチノールが多く含まれています。
妊娠初期には、これらの食品もホタルイカとともに避けた方が無難でしょう。
それぞれを毎日食べ続けることはなくても、日替わりでビタミンAが豊富な食材を用いれば、過剰摂取になる可能性が高くなってしまいます。
とはいえ、ビタミンAは、妊婦さんにとって大切な栄養素の一つです。
適正にビタミンAを摂取する意味でも、食材やサプリメントの選び方に注意してくださいね。