妊婦健診ではエコー検査が行われるのが一般的で、妊娠後期に入ると、赤ちゃんの向きもチェックされるようになります。その際によく聞かれるのが「逆子」ですが、実は「横位」と言われて驚くママも少なくありません。
これは、赤ちゃんの頭がどちら側を向いているかで分類されます。では、横位とは逆子とどう違い、何が原因でおこるのでしょうか。
また、横位と言われたら、直す方法はあるのでしょうか?横位のままだと、出産はどうなるのでしょうか。今回は、気になる横位について、お話しします。
目次
横位ってどういうこと?何が原因でおこるの?
ママの子宮は羊水で満たされており、妊娠28週目あたりまでの赤ちゃんは、身体も小さく、活発に動き回っています。ですが、妊娠中期以降、赤ちゃんの成長に伴って、徐々に頭が骨盤の方を向く、「頭位」になっていくものです。
しかし、赤ちゃんの頭が上を向いている「骨盤位(逆子)」や、骨盤に対し赤ちゃんの頭が横を向いている「横位」になることがあります。
中でも、赤ちゃんの頭がママの左側に向いていると「第一横位」、右側を向いていると「第二横位」と呼んでいます。お腹の赤ちゃんが横位になる原因としては、以下のようなものがあげられます。
- 前置胎盤
- 子宮奇形
- 巨大児
- 羊水過多症
- 多胎妊娠
- 水頭症など
また、出産経験が豊富な経産婦のママに横位が多い、というデータもあるようです。
横位を直す方法はあるの?
赤ちゃんが横位と言われても、逆子を直すように出産までに直る可能性はあります。そこで、横位にも効果があるとされている方法を、いくつかご紹介しておきましょう。
赤ちゃんの頭がある側と反対側を下にして寝る
まず、お腹の赤ちゃんの頭の位置をエコー検査などで確認してもらい、反対側を下にして眠ることです。
お灸をする
次に、横位や逆子に効くとされている、お灸をすることです。
逆子体操をする
逆子体操をしたことで横位が改善された、というママもいました。ですが、臨月近くに逆子体操をしたことで、お腹の赤ちゃんの首にへその緒が巻き付き、死産した例もあります。逆子体操をしてもよいかどうかは、必ずお医者さまに確認してください。
そうしてママががんばっても、必ず横位が直るとは限りません。その時は、安全に出産できる方法を見つけることに、気持ちを切り替えましょう。
横位のままだと出産はどうなるの?
妊娠後期にお腹の赤ちゃんが横位であることがわかった場合、妊娠35週目までは様子をみるお医者さまが多いようです。実際に横位のままで出産を迎えるママは、すべての妊婦さんの0.3~0.4%程度といわれています。
もし、正産期に入っても頭位にならない場合は、逆子と同じように、帝王切開で出産することになります。無理に自然分娩しようとすると、赤ちゃんの肩から先に出てしまったり、早期破水になりやすいなど、何らかのリスクを抱えることが多いからです。
もし、臍帯脱出がおきてしまうと、お腹の赤ちゃんが呼吸困難に陥り、生まれる前に亡くなってしまう恐れがあります。さらに、けいれん陣痛や微弱陣痛になりやすく、なかなかお産が進まないケースも少なくありません。
横位での出産は、ママの死亡率が2%、赤ちゃんの死亡率は37%になり、経膣分娩の死亡率は50%にもなっています。赤ちゃんの命を、最優先しましょう。
神経質になり過ぎず、出産を迎えよう
お腹の赤ちゃんが横位だと知ると、胎動を感じる場所も違いますし、出産に対しての不安を抱えるママもいることでしょう。ですが、適切な出産方法を選べば、元気な赤ちゃんを出産することができます。
また、横位になったのは、ママに問題があったからでも、お腹の赤ちゃんに異常があるからでもありません。横位であることを悩むより、無事に出産できることを一番に考えていきましょう。
妊娠後期はママの身体にも負担がかかりますし、横位であることをストレスに感じて心身の調子を崩すことが一番良くありません。リラックスして残り少ないマタニティライフを過ごしましょう。