赤ちゃんも生後10ヵ月を迎える頃には、いろいろなメニューが食べられるようになります。また、自分で食べたがるようになり、季節によっては、温かいメニューが増えることもあるでしょう。
ですがそれにより、赤ちゃんの口の中に火傷をおうという事故も、増えてくるものです。そして、赤ちゃんは自分の症状を説明できるわけではありません。
そこで今回は、赤ちゃんが口の中を火傷した場合の症状や対処法、予防法などについて、お話しします。病院に連れて行く方がよいケースもあるので、知識として覚えておいてくださいね。
火傷にもレベルがあるので確認しよう!
赤ちゃんが口の中を火傷した場合、そのレベルがどの程度なのかを確認するのが先決です。
軽度な第1度は、舌の粘膜の表層を火傷した状態です。赤く腫れたり、ピリピリした痛みを感じることがあります。
第2度になると、舌の粘膜直下の層もダメージを受けています。そのため痛みが増し、場合によっては水ぶくれができることもあります。
第3度になると、舌の筋肉までダメージが及びます。舌の粘膜が、白あるいは黒くなるのが特徴で、強い痛みを感じるだけでなく、感覚がなくなることもあります。
通常、口の中にできた火傷は、他の部分にできたものより、治るのが早いのが普通です。そのため、口の中を火傷しても、軽度であれば数日で治るものです。とはいえ、第2~3度の火傷を負った場合は、完治までに1ヵ月以上かかることもあり、その間は味覚に影響が出ることもあります。
もし口の中を火傷したら、どう対処すべき?
では、もし赤ちゃんが口の中を火傷してしまった時には、どう対処したらよいかを説明します。
第1度の火傷をした時には、まずその部分に残っている、食べ物のカスを取り除いてあげましょう。その上で、冷水を口に含ませ、すすぐように促します。生後10ヵ月だと、口をすすぐのが難しい赤ちゃんも多いので、その場合は氷を口に含ませてあげてください。
また、砂糖を少し下の上にのせることで、エンドルフィンという快楽ホルモンが生成され、痛みを和らげてくれることがあるので、試してみる価値はあります。
ですが、こうした対処をしても痛がる、効果を感じられない場合は、小児科や小児歯科で診察を受ける方が無難です。口の中の火傷をした後、赤みや腫れが増したり、発熱したり、膿が出ているようなら、すぐに病院に連れて行きましょう。
火傷が原因で口内炎がおこることもある!
赤ちゃんが口の中を火傷してしまうと、カタル性口内炎になることが多いです。症状としては、以下のようなものがあげられます。
- 舌の粘膜がピリピリする
- あるいは痛みがある
- 火傷の部分を触るとザラザラする
- 水ぶくれができる
- 口内の天井部分や唇の皮がむける
- 舌が赤くなる
- 舌が腫れる
- 味覚が鈍くなるなど
こうなると、火傷の部分がしみたり、痛みを感じることで、授乳や離乳食を拒否することもありえます。赤ちゃんの口の中の火傷は、唾液の抗炎症作用や抗菌作用により、身体の他の部分を火傷するよりは治るのが早いといわれていますが、それもレベルがどのくらいかによります。
口の中を火傷している時には、塩分や酸味など、痛みの刺激を与える調味料を避けたり、茶わん蒸しなど冷たくても食べやすいメニューを用意するなど、配慮してあげましょう。
赤ちゃんが口の中を火傷しないよう、予防を心がけよう!
とはいえ、赤ちゃんが口の中を火傷しないように、ママが予防を心がければ、こうした事態は避けられます。まず、離乳食を食べさせる時には、その温度をしっかりチェックするのが基本です。
電子レンジで温めなおしをする時、場所によって食べ物の温度にムラが出ることがあります。温めたものは、食べさせる前にきちんと混ぜ、温度を確認しましょう。また、離乳食をプラスチック容器に持っている場合、温度がわかりにくいことがあるので、注意が必要です。