学校では教えてもらえなかった、お金の事…。分かりやすく説明します!
「国民健康保険と社会保険って何が違うの…?」こう聞かれて、正しく答えられる大人がどれほど存在するでしょうか?
日本で暮らしている以上、すべての人に関係する問題であるはずなのに…、なぜか学校では教えてもらえません。「いまさら聞けない!」と、自分の無知を恥じる大人の方も少なくはないはずです。
国民健康保険と社会保険の違い
国民健康保険と社会保険の違いを噛み砕いて説明すれば、“会社勤めか否か”です。会社(法人)にお勤めの場合は社会保険、自営業などの場合は国民健康保険とまります。
しかし、この二つが“サラリーマンは社会保険で、自営業が国民健康保険”というふうにイコールで繋がるわけではありません。混乱してしまいがちな二つですが、“保険”と“年金”に分けて考えると分かりやすくなります。
ここでは、国民健康保険と社会保険の違いについて、それぞれの保険と年金を分解しながら説明します。
社会保険について
社会保険とは、会社勤めの方などが勤務先を介して加入する保険制度を指し、健康保険に加えて厚生年金もセットになっています。毎月のお給料から天引きになっているのが一般的です。
健康保険
独立行政法人《全国健康保険協会》の運営する“協会けんぽ”、あるいは“企業ごとの健康保険組合”によって運営されていて、保険料は雇用主との折半で支払います。
保険料の算出方法は現在の給料から行われ、収入が増えれば比例して納める保険料もアップします。扶養家族の人数は保険料に反映されません。扶養家族として認められた家族は、無料で健康保険に加入することが可能です。
被保険者である本人に加え、扶養家族は3割負担で医療機関を受診でき、条件を満たしていれば扶養家族の出産手当金や出産育児一時金、傷病手当の給付を受けることもできます。
厚生年金
会社勤めのサラリーマンは全員、厚生年金に加入しなくてはいけません。加えて、派遣やパートであっても、正社員の労働時間・日数の約4分の3以上勤務している場合は、厚生年金に加入することになります。
年金改革により、保険料は2004年から毎年0.354%ずつアップし(改正前は13.58%)、2017年以降は18.3%とすることが決まっています。
具体的に今現在支払っている保険料をチェックする場合、給与明細に記載された“厚生年金”の欄をご覧ください。社会保険(厚生年金含む)は雇用主との折半で支払われていますので、あなたが納めている保険料は「記載された額×2」という事になります。
国民健康保険について
自営業の方などが加入するのは、国民健康保険と国民年金です。
国民健康保険
お住まいの市区町村によって運営されています。雇用主との折半になる健康保険とは異なり、支払いは全額負担です。
保険料は、所得や資産などから算出され、率は市区町村によって異なります。具体的な金額を知るためには自治体に問い合わせてください。前の年の所得などから算出されるため、起業をした翌年の保険料がお財布に大ダメージを与えるケースも珍しくありません。
また、国民健康保険には扶養という概念がありません。たとえ扶養している家族でも、一人一人に保険料が発生します。この点から考えても、国民健康保険の方が家計への負担は大きくなりがちです。
医療機関の受診は健康保険と同じく3割負担となりますが、傷病手当や出産手当金の給付を受けることはできません。
国民年金
自営業や農業、または従業員が5人以下の個人事業で勤めている場合、国民年金に加入することになります。
厚生年金と同じく、国民年金の支払い額も年金改革から毎年少しずつアップしています。2005年から280円ずつ引き上がり(改正前は13,300円/月)、2017年には16,900円/月になる事が決定しています。