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高齢者を一人暮らしさせるのは悪いことか?意外と高い高齢者の独居生活満足度

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家族同居より一人暮らしで幸せを感じている高齢者も多い

一人暮らしの高齢者と聞いて、何を思い浮かべるでしょうか。孤立?孤独?いえいえ、高齢者が一人暮らしをしているからといって、孤立しているとは限らないのです。 ある調べでは、家族と同居している高齢者よりも、一人暮らしをしている高齢者の方が生活満足度が高かったということもわかりました。一人暮らしでなぜ生活満足度が高まるのか、高齢者を一人暮らしさせることは悪いことではないのか、一緒に考えてみましょう。

高齢者の一人暮らしは本当に「寂しい」のか

一人暮らしの高齢者、独居老人…どことなく寂しさを感じさせる言葉です。しかし近年では、さまざまな事情で一人暮らしの高齢者は増えており、一時は孤独死なども問題となったことがありました。 病気や体の不自由を抱えながらの一人暮らしは、そういったリスクと隣り合わせであることがはっきりとしてきたと考えられます。 ただ、高齢者のすべてが重い病気や体の不自由さを抱えているわけではありません。家族の介護や介助が必要とされる高齢者ばかりでなく、近所づきあいや友達との外出を楽しみながら、悠々自適に一人暮らしを楽しんでいるという高齢者もいるのです。 若い世代の趣味や楽しみ方、生き方がかつての時代より増えてきているように、高齢世代の楽しみ方や生き方も、同じように多様化してきているのでしょう。

生活満足度は家族同居より一人暮らしの方が高かった

ある医師が実施した調査によると、家族と同居している高齢者よりも、一人暮らしをしている高齢者のほうが、生活満足度が高いことがわかりました。 100点満点としたときの生活満足度は、一人暮らしの高齢者で平均73.5点、同居の高齢者で68.3点と、一人暮らしのほうが約5点上回る結果となったのです。悩みについても一人暮らしのほうが少なく、満足度において性別や子供の有無に差は出ませんでした。 家族と一緒に暮らすことでさまざまなメリットがあるように思えますが、家族同居している高齢者の満足度が低い理由には「家族とうまくいかない」「コミュニケーションが取れない」といったものがあがったそうです。 たとえ家族と同居していても、生活時間帯のすれ違いなどでうまくコミュニケーションが取れなければ、それがストレスに繋がっていくということなのかもしれませんね。 それに高齢になってくると、若い頃と同じように動くことができません。同居している家族のペースに合わせようとすると、逆に体に無理をさせてしまうこともありますし、家族が高齢者のペースに合わせようとすると、今度は家族にストレスがたまってしまうことも。 いいことのように見える家族同居でも、さまざまなストレスの種が潜んでいるというわけです。

「あこがれの一人暮らし」「自由で気ままな暮らし」を楽しむ高齢者

子供が独立した後、夫に先立たれたため、子供から同居を申し込まれた女性の高齢者は、あこがれの一人暮らしを手放したくないという理由で同居を断りました。 子供のほうは独居の心配から同居を提案したわけですが、母親としてはせっかくの一人暮らしをもっと楽しみたい、と感じていたわけです。 今でこそ、社会人として一人暮らしを経験することは当たり前になってきましたが、現代の高齢者は、ほとんどが家族との同居が当たり前の世代です。結婚して、子供ができて、子供が独立したあとも配偶者と一緒に暮らし続けたわけですから、この女性にとっては「初めての一人暮らし」であり「あこがれの一人暮らし」だったということなのでしょう。 一人暮らしを選んでいる高齢者の多くが、こうした自由な生活を楽しんでいることが多いようです。今までずっと家族のために働き、家事や育児に追われてきた生活から解放されて、自分のために好きなように時間を使いたいと考えているのかもしれません。 一人暮らし向けの賃貸住宅を選べば、部屋の掃除なども最低限で済みますし、家のメンテナンスも自分でする必要がありません。広い家で暮らすより、体の負担が少ないということもあるのです。

高齢者の一人暮らしで生活満足度を高めるには

ただ、一人暮らしをすることだけが、高齢者の生活満足度に繋がるというわけではありません。満足できる一人暮らしを続けるには、ある程度の条件が必要です。 それは、勝手気ままで自由な生活ができること、信頼のおける同世代の親類か友人が数人いてたまに話ができること、住み慣れた土地に住んでいること、などです。 たとえば一人暮らしを始めるにしても、見知った人がいない知らない土地では、地域になじむことができずに孤立してしまうことが考えられます。それを避けるには、生まれ育った土地や長年暮らしてきた土地を選び、家族以外に友人や親類が近くにいることが重要です。 要支援・要介護の認定があれば、ほとんどの場合でケアマネジャーがついてくれるので、完全に孤立してしまうことはありません。心身の不調についてもケアマネジャーは知識がありますから、その点についての心配は少なくなります。 ただ、健康であっても、ケガや病気で動けなくなってしまう、ということは考えられます。新聞配達などで定期的に家に訪問してくれる人に対し、新聞が2日たまっていたら家族や警察に連絡してくれるよう頼むなど、万が一のときのための対策も必要でしょう。 こんなに条件が必要なのか、と思うかもしれません。しかし逆に考えれば、たったこれだけの条件が揃っていれば、高齢者にとっては満足度の高い暮らしが、そして家族にとっては負担を感じない暮らしができるということなんです。 もちろん、一人暮らしを望んでいない高齢者に、むりやり一人暮らしをさせるようなことはしないほうがよいでしょう。しかし、親や祖父母が一人暮らしを望んでいて、こうした条件に恵まれているのであれば、無理に同居を考えなくてもよいということです。 まずはお互いが満足できる生活はどのようなものなのか、しっかり話し合ってみることが大切です。 高齢者の満足度を考えると、一人暮らしさせるのも決して悪いことではないことがわかりました。条件が揃っていればの話ではあるものの、「同居=善、独居=悪」とは言い切れないということですね。 高齢者向けの生活サービスも充実してきているので、そうしたサービスを活用しながら、満足度の高い一人暮らしをさせてあげるのも、一種の親孝行といえるのかもしれません。]]>

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