日本人が大好きな資産運用のひとつ「定期預金」。
定期預金は一定の期間、例えば1年、3年といった預入期間を選んで組むことで利息が受けられます。この利息をそのまま受け取るのが「単利型」、受け取らずに元本(預けたお金)に組み込んでさらなる利息を目指すのが「複利型」になります。
例えば預入期間が3年の定期預金の場合だと次のような具合になります。
【単利型】
・2年目に再び1年分の利息がつきます。前年と同様に自由に使えます。
・最後の1年として1年分の利息が受け取れます。利息+元本がかえってきます。
まとめると、元本+1年分×3回の利息が受け取れます。ちなみに、利息はそれぞれ同じ金額です。
【複利型】
・2年目は「定期預金をスタートした時の元本+1年目に発生した利息」に対して金利が発生します。そして生じた利息は再び元本に組み込まれます。
・3年目は「最初の元本+1年目の利息+2年目の利息」に対して利息が発生します。
複利型の場合だと、1回目の利息よりも2回目の利息が、2回目の利息よりも3回目の利息の方が金額が大きくなります。
このように、同じ金額、同じ金利、同じ期間…
という条件でみると、単利型よりも複利型の方がより多くの利息を手に入れられることになります。
もちろん、金利が大きい、預入期間が長いほどその差が顕著です。
これだけ見ると「複利型の方が絶対にお得!」と感じそうですが、単利型のメリットは毎年発生する利息が自由に使えることです。
もしも利息を使う予定がないなら複利型の方が圧倒的に良いですが、こまめにお金が欲しい、という場合は単利型の方が利便性が高く感じられるでしょう。
1年複利型よりも半年複利型の方が嬉しい
各銀行によって様々な定期預金が提供されています。そこでこれから定期預金を始めようと思っている方はぜひ「1年複利型」「半年複利型」に注目して欲しいと思います。
一般的な定期預金だと1年複利型が採用されていることが多いです。つまり、1年に1回のタイミングで利息が元本に組み込まれるわけです。しかし、半年複利型だとこの頻度が2倍の半年に1回となります。つまり、発生した利息の分だけどんどん元本が増えていき、これに利子が高くなっていくわけですので、最終的な利息に結構な違いが出てきます。
最近だと「1ヶ月複利型」も登場しているので、こちらも視野に入れておくと良いかもしれませんね。
自動継続の定期預金も複利型が良い
定期預金の中には満期になったら自動的に次の定期預金に移行する、といういわゆる「自動継続型」もあります。数年の間、あるいは中数年の間特に大きな買い物をする予定がない、出費が出る予定がないなら自動継続系の定期預金も視野に入れておくと良いと思います。そしてここでも「単利型」「複利型」があります。この場合だと単利型よりもなおさら複利型の方がメリットが大きくなってきますので、どの銀行で定期預金を組むのか事前の検討を抜かりなく!
まとめ
定期預金では「金利の高さ」に注目が集まりがちです。できるだけ多くの利息が欲しいのだから当然といえば当然。しかし、金利が高い1年複利型よりも、少し金利は落ちる半年複利型の方がより多くの利息を得られる可能性は大いにあります。
ですので理想的な定期預金の選び方は「事前に最終的な利息を計算してから」ということになります。計算が面倒だと感じる人もいるでしょうが、最近だと数値を入力するだけで自動的に計算してくれるサイトも登場していますので、これらを上手に活用していけばそこまで手間にはなりません。
利息分をできるだけ大きく取りたいなら単利型よりも複利型、複利型の中でもできるだけこまめに元本に組み込まれるタイミングが用意されている「半年複利型」「1ヶ月複利型」などを優先的に検討してみましょう。
こうなると、単利型の定期預金は必要ないと感じる人もいるかもしれません。
しかし、そのことはありません。まとまったお金は預けたいけれど、ある程度お小遣いも欲しい、というときは単利型の出番です。
利息をその都度使いたいなら単利型、利息を特に使うつもりがないなら複利型を選ぶ、という基本を忘れないようにしましょう。