普通預金口座を開設している人は、一度自分の預金通帳を見てみましょう。
そうすると定期的に、利息の支払われていることがわかるはずです。低金利状態が続いているため、微々たるものかもしれません。
ところでこの利息に対して、課税されているのをご存知でしょうか?
利息は言ってみれば、皆さんにとっては所得になります。所得は税金の対象になるからです。
どれくらいの税金がかけられているのか、どうやって納税するのかについてここで詳しく見ていきましょう。
利息にも20%の税金がかかる
普通口座にしばらくお金を預けていると、利息が発生します。利息は皆さんの所得扱いになり、課税対象になります。
普通預金の他にも定期預金や変動金利定期預金など、いろいろな口座があります。
しかしどの種類の口座を持っていても、利息は一律20%となります。内訳は国税が15%・地方税が5%です。
もし100円の利息が発生したと仮定すると、そのうちの20円は税金として納める義務があるわけです。
ちなみに2011年に発生した東日本大震災のため、2013年から2037年までの25年間、復興特別所得税が所得を得ている人は納めないといけません。
復興特別所得税の上乗せ分ですが、所得税率×2.1%となります。先ほども見たように利息の国税である所得税は15%ですから、20.315%分を税金として納税する必要があります。
自分で納税していない…でも大丈夫
長年普通預金口座を開設している人で、利息の納税を行ったことのある方はまずいないでしょう。銀行の利息の納税は、自分で行う必要はありません。
源泉分離課税という方式で納税しているからです。
会社勤めをしている人は、自分で税金を納めたことはないはずです。会社の方で税金分をあらかじめ差し引いて、給料を渡しているからです。これと全く同じシステムが適用されています。
つまり利息の発生する日に、銀行で預金額から計算した利息から、税金分を差し引いて皆さんの口座に入れているわけです。
先ほどの100円で20%の税金で説明すると、利息を口座に入れるときには20円を差し引いた80円を入金しています。
つまり利息をみなさんが受け取った時点で、必要な納税手続きは完了しているわけです。
税金の支払い義務のない人も
普通預金口座で利息を受け取るときには、原則誰でも税金が差し引かれます。しかし一部例外の方もいて、利息に対する税金の支払い義務のない人もいます。
税金の支払い義務が免除されている人は、3タイプいます。
身体障碍者手帳の交付を受けている人、障害年金をもらっている人、遺族・寡婦年金をもらっている女性です。
ちなみに年金に関しては、国民、厚生、共済いずれの年金でも支払い義務はありません。
障碍者等のマル優制度があります。
この中で、元本の合計が350万円の利息分に関して非課税になるという取り決めがあります。
350万円を超える預金を持っている人は、その分は課税対象になります。
ちなみに複数の口座を持っていても、合計で判断されますから、分散して預金をしても合計が350万円を超えれば課税対象になります。
マル優制度を利用するには
以上の3タイプに該当する人は、お金を預けていても自動的に非課税になるわけではありません。
申請手続きをしないと非課税制度は適用されません。
該当する人は、速やかに銀行で手続きをしましょう。
銀行には、非課税貯蓄申告書という用紙がありますから、こちらに必要事項を記入します。
そして身体障碍者手帳や年金証書のようなマル優制度に該当することを証明する書類も一緒に提出します。
マル優制度を利用するには多少面倒なところもあって、例えば口座に預金をするたびに非課税貯蓄申込書を作成しないといけません。
ですから預金をする時にはこまめにするのではなく、ある程度お金の貯まったところで一気に預けた方が良いでしょう。
銀行の窓口を使って預ける方法の他にも、ネットバンキングで入金する方法もあります。
自宅から出ることなく手続きできるのが魅力ですが、この場合銀行によってはマル優制度が適用されないケースもあります。
インターネットを利用して手続しようと思っている人は、あらかじめ確認をしておいた方が良いでしょう。
まとめ
このように、利息は皆さんにとって所得となるため、課税対象となることは頭に入れておくべきです。
ただし財形貯蓄制度を活用すれば、非課税にすることが可能です。
財形貯蓄制度を導入している会社に勤務していれば、制度を活用できます。正社員はもちろんのこと、パートやアルバイトでも条件を満たせば利用可能です。
給料から天引きされて、勤務先が取引している銀行に積み立てるシステムです。
財形住宅貯蓄と財形年金貯蓄であれば、元本550万円までの利息分の税金は非課税になります。無駄な税金を少しでも節約したいと思っているのなら、財形貯蓄をうまく活用しましょう。